長崎の土地購入で思わぬ出費!?知らないと損する「擁壁」の話   

2026/10/31 08:00

「希望のエリアで、予算内の土地が見つかった!」
「少し坂道はあるけど、景色もいいし、この土地にしようかな?」

そんなふうに、気に入った土地が見つかるとうれしいですよね。


しかし、長崎で土地を購入するなら、土地の価格や立地だけでなく「擁壁(ようへき)」にも注意が必要です。

擁壁とは、土地の高低差を支えるためにつくられた構造物のこと。実は、擁壁の状態によっては、土地の購入後に思わぬ工事費用が発生する可能性があります。特に坂道や高低差のある住宅地も多い長崎県では、知っておきたいポイントのひとつです。

今回は、擁壁の基本的な知識から、追加費用が発生するケース、土地購入前に確認したいポイントまで、わかりやすく解説します。

そもそも「擁壁(ようへき)」とは?

擁壁とは、高低差のある土地で土が崩れないように支えるための構造物です。

例えば、道路より高い場所に住宅が建っている場合、土地の側面にコンクリートや石などでつくられた壁があることがあります。このような壁が「擁壁」です。

長崎県には、坂道や斜面地に住宅が建ち並ぶ地域もあり、土地の高低差を利用して家が建てられている場所もあります。そのため、長崎で土地探しをする際には、擁壁のある土地を見かけることもあるでしょう。

ただし、擁壁があるからといって、必ずしも危険な土地というわけではありません。適切に設計・施工され、安全性が確保されている擁壁もあります。

大切なのは、擁壁があるかどうかだけでなく、その状態や安全性を確認することです。

擁壁のある土地は購入しない方がいい?

擁壁のある土地でも、状態や建築条件に問題がなければ、購入を検討することはできます。

ただし、擁壁の安全性が確認できない場合や、補修・改修が必要な場合には注意が必要です。例えば、土地自体の価格が予算内でも、購入後に擁壁の工事が必要になると、家づくり全体の費用が大きく変わる可能性があります。

また、擁壁の状態によっては、建物の配置や建築方法に制約が生じる場合もあります。そのため、擁壁のある土地を検討するときは、土地の購入前に住宅会社などの専門家へ相談することが重要です。


擁壁のある土地にもメリットはある?

擁壁のある土地は注意点ばかりではなく、価格や立地によってはメリットもあります。特に長崎県では、坂道や高低差のある住宅地も多いため、擁壁のある土地を候補に入れることで、土地探しの選択肢が広がる可能性があります。

主なメリットは、次の4つです。

メリット

内容

土地の価格が比較的安い場合がある

高低差や擁壁の状態などが価格に反映され、周辺の平坦な土地より安く購入できるケースも

眺めが良い場合がある

高台の土地なら、街並みや海を見渡せることも

道路からの視線が気になりにくい

道路より高い位置に住宅がある場合、通行人から室内が見えにくくなることも

土地探しの選択肢が広がる

平坦な土地だけでなく、高低差のある土地も検討できる

例えば、希望するエリアで平坦な土地がなかなか見つからなくても、擁壁のある土地なら条件に合う物件が見つかるかもしれません。また、既存の擁壁の安全性が確認できており、追加工事が不要な場合は、費用面でも魅力的な選択肢になる可能性があります。

ただし、土地の価格が安くても、擁壁の補修や改修に費用がかかれば、結果的に割高になることもあります。

メリットだけで判断せず、擁壁の状態や追加工事の必要性まで確認することが大切です。


擁壁のある土地で注意したい3つのポイント

擁壁のある土地を購入する際は、特に次の3つを確認しましょう。

① 古い擁壁やひび割れがないか

擁壁にひび割れや傾きなどが見られる場合は、安全性について専門家による確認が必要です。擁壁は、長年にわたって土の圧力や雨水などの影響を受けています。そのため、時間の経過とともに劣化が進む場合があります。

例えば、次のような状態には注意が必要です。

  • 擁壁に大きなひび割れがある

  • 壁が膨らんだり、傾いたりしている

  • 擁壁の継ぎ目にずれがある

  • 水抜き穴が詰まっている、排水がうまくできていない

特に、水抜き穴は擁壁の背面にたまる水を排出するための重要な部分です。排水がうまくできないと、擁壁にかかる水圧が大きくなる可能性があります。ただし、見た目だけで安全性を判断することはできません。

気になる点がある場合は、専門家に調査してもらうことが大切です。

② 追加の工事費用が発生する可能性

擁壁の状態によっては、補修や改修、つくり直しなどの工事が必要になる場合があります。

例えば、次のようなケースです。

擁壁の状態・条件

想定される対応

軽微な劣化が見られる

状況に応じた調査・補修

安全性を確認できる資料がない

現地調査や追加確認

安全性に問題がある

補強・改修・再築造などの検討

建物の配置に影響する

間取りや建築計画の見直し

※必要な対応は、擁壁の構造や状態、敷地条件などによって異なります。

擁壁の工事は、壁の高さや長さだけでなく、工事車両が入れるかどうかなどによっても費用が変わります。特に長崎の坂道が多い住宅地では、道路の幅や敷地へのアクセスも確認しておきたいポイントです。

土地の価格が安くても、追加工事を含めると予算を超えてしまう可能性があります。土地代だけでなく、家を建てるまでに必要な費用をまとめて確認しましょう。

③ 希望する家が建てられるか

擁壁のある土地では、擁壁の状態や土地の高低差によって、建物の配置や建築方法に影響が出る場合があります。例えば、購入した土地に十分な広さがあっても、擁壁との位置関係や安全性の確保によって、希望する間取りが実現しにくくなるケースも考えられます。

また、擁壁の改修が必要になれば、建物本体とは別に工事期間や費用が発生する可能性もあります。「土地を購入してから住宅会社に相談する」のではなく、購入前に希望する家が建てられるか確認しておくことが大切です。


擁壁の工事にはいくらかかる?

擁壁の新設工事は、鉄筋コンクリート製の場合、1㎡あたり約3万〜10万円が参考単価の一例です。例えば、高さ2m・長さ10mの擁壁を新しくつくる場合、壁面積は20㎡。

この単価を使って単純計算すると、約60万〜200万円になります。
擁壁の大きさによる金額の違いを見てみましょう。

擁壁の大きさ

新設工事の参考金額

高さ1m × 長さ10m

約30万〜100万円

高さ2m × 長さ10m

約60万〜200万円

高さ3m × 長さ10m

約90万〜300万円

※1㎡あたり3万〜10万円を掛け合わせた単純計算です。高さによって必要な構造や工法が変わるため、実際の工事費用がこの範囲に収まるとは限りません。また、設計費・地盤調査費・残土処分費・仮設工事費などが別途必要になる場合があります。長崎県内の実際の見積もり相場を示すものではありません。

また、すでにある擁壁をつくり直す場合は、既存の擁壁を解体・撤去する費用も必要です。そのため、工事の規模や土地の条件によっては、数百万円以上の出費につながる可能性もあります。

特に長崎県の坂道が多い住宅地では、道路が狭く、工事車両や重機が入りにくい場所もあります。そのような土地では、通常より工事費用が高くなる場合もあるため注意が必要です。

なお、擁壁がある土地すべてで追加工事が必要になるわけではありません。土地の購入前に、擁壁の工事が必要かどうか、必要な場合はいくらかかるのかを住宅会社などの専門家に確認しておきましょう。


長崎では擁壁に関する規制も確認が必要!

長崎県で土地を購入する際は、擁壁の状態だけでなく、土地に適用される法令や工事の規制も確認しておきましょう。2025年5月23日から、長崎県内では「盛土規制法」に基づく規制区域の指定・運用が始まっています。

盛土規制法とは、盛土や切土などによる災害を防ぐため、一定の工事について許可や届出などを求める法律です。

長崎県内では、長崎市・佐世保市を含む全域が規制区域に指定されています。ただし、長崎市と佐世保市はそれぞれの市が規制を担当しており、その他の市町は長崎県が担当しています。

規制区域内だからといって、すべての擁壁工事に許可が必要というわけではありません。工事の内容や規模によって手続きが異なるため、購入を検討している土地については、住宅会社や担当する自治体に確認しましょう。

長崎で擁壁のある土地を購入する前に確認したいこと

擁壁のある土地は、購入前に「安全性」「追加費用」「建築条件」の3つを確認することが重要です。

特に、次の項目をチェックしておきましょう。

チェック項目

確認する内容

擁壁の状態

ひび割れ・傾き・排水状況など

工事の記録

設計図面や許可・検査に関する資料の有無

安全性

専門家による調査が必要か

追加費用

補修・改修などの工事が必要か

建築条件

希望する間取りや建物を実現できるか

法令上の規制

必要な許可・届出や建築上の制約がないか

不動産会社に資料の有無を確認し、必要に応じて住宅会社や専門家にも相談しましょう。なお、許可・検査に関する資料が見つからないからといって、直ちに危険な擁壁と判断できるわけではありません。

一方で、資料があることだけで現在の安全性が保証されるわけでもないため、現地の状態とあわせて確認することが大切です。


長崎で土地を買うなら擁壁もチェック!

長崎で土地を購入する際は、価格や立地だけでなく、擁壁の状態にも目を向けることが大切です。擁壁があるからといって、必ずしも購入を避ける必要はありません。

ただし、状態によっては追加工事が必要になったり、希望する家の建築に影響したりする可能性があります。

特に覚えておきたいのは、次の3つです。

  • 擁壁の状態や安全性を購入前に確認する

  • 土地代だけでなく、追加工事の費用も考える

  • 希望する家が建てられるか、住宅会社に相談する

「気になる土地があるけど、購入しても大丈夫?」
「土地の価格は安いけど、追加費用がかからないか心配…」

そんな方は、お家のアイカタにご相談ください。

お家のアイカタでは、長崎での土地探しから住宅会社選びまで、家づくりを無料でサポートしています。土地の条件や予算に不安がある方も、まずはお気軽にご相談ください。

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